歌舞伎や観劇に着物で行く際の注意点や着こなし
歌舞伎や観劇に行きたいのに、どんな服装で行ったらいいのか迷ってしまう人は多いと思います。
実は、私もそうでした。着物を着て行きたいけれど「本当に着物を着ててもいいいの?」「どの着物ならいいのかしら?」と迷いは尽きず、結局洋服で行っちゃったことも。
まずは、自分も楽しみつつ周囲に迷惑をかけないことが大切ですよね。観劇のマナーがわかれば、着物を着ていく勇気も湧いてきますよ。
今回は、歌舞伎や観劇にふさわしい着物と、観劇のマナーをご紹介します。
※この記事は全国に7店舗運営の京都着物レンタル 梨花和服が監修・作成しました。
歌舞伎や観劇にふさわしい着物とは
- 歌舞伎座や観劇にドレスコードはない
- 華やかな着物がおすすめ
- 帯結びはお太鼓
歌舞伎やコンサート、劇などの観劇は、2時間から3時間以上の長丁場です。ですから、普段から着なれた、疲れにくい服装が適しています。
とはいえ、観劇に行くということは、女にとっては晴れの日ですよね。
ここでおしゃれをしないで、どこでするというのでしょうか。着物を着こなすためにも、歌舞伎や観劇にはぜひ着物で行きたいものです。
梨花和服 浅草店の近く浅草公会堂でも新春歌舞伎が行われ、訪問着で行く人や小紋の着物で行く人など様々です。
歌舞伎座や観劇にドレスコードはない
実は、歌舞伎座にはドレスコードがありません。
何を着てきても大丈夫ですよ、と言うことでした。実際、改まった服装をしている人もいれば、Tシャツにジーンズというラフな服装の人もいます。
歌舞伎座以外の劇場も、明確なドレスコードはありません。ただ、劇場によっては「これこれは注意してください」とあらかじめルールを謳っている場合があるので、事前にホームページ等で確認すると良いでしょう。
歌舞伎の公演や座席によっては着物は盛装がふさわしい
観劇にドレスコードは決まっていませんが、歌舞伎の公演や劇場内の座席によっては、改まった服装、着物なら盛装がふさわしいときがあります。着物の盛装とは、紋の付いた礼服ではなく、改まった装いという意味です。
では、どんなときに改まった装いをすればいいのでしょうか。
歌舞伎の初日や襲名披露のときは、改まった装いの人が多くて華やかな雰囲気です。このようなときは、臆することなく着物を着てお出かけしましょう。
また、どんな劇場でも前方の座席が一番良い席で、値段も高めですね。後ろに行くほど、舞台が見えにくくなり値段もそれなりに下がります。
前方の座席ほど晴れの服装の人を多く見受けます。これは、招待された人や舞台の縁者の人が多く、失礼のないようにと気を配っているからです。
そのような席に同席するならば、回りに合わせて改まった装いを心掛けでください。逆に、後ろの席で盛装を着ていると悪目立ちしてしまう場合もあるので、控えめな着物の方が落ち着いて観劇できるでしょう。
歌舞伎や観劇の着物の着こなしと注意したいこと
歌舞伎や観劇では、素敵に着物を着こなしたいですよね。ちょっとした気遣いとマナーを守ることで、あなたも着物美人になれます。
訪問着・色無地
訪問着は、袋帯を締めて盛装として着こなしましょう。
色無地は、袋帯を締めれば盛装に、名古屋帯や錦織りの半幅帯を締めればカジュアルダウンできます。
訪問着購入とレンタルの違いに付いて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
>訪問着を購入する場合の値段は?レンタルとどちらがお得?
小紋・紬
小紋は、名古屋帯や半幅帯でおしゃれに装いましょう。
紬は、観劇には最もカジュアルな着物です。染めの名古屋帯で柔らかい雰囲気を、半幅帯できりりとした着こなしも素敵です。
帯結びは薄く平らにする
お太鼓結びは薄い帯枕を使って、できるだけ平らにします。ハンドタオルや薄いスポンジの帯枕を使ってみてください。そして、背もたれにキチンと背がつくように気を配りましょう。
半幅帯なら、貝の口やカルタ結びが背にピタリとつくのでおすすめです。
履物は草履で・下駄はNG
着物の履物は、布製か革製の草履にしましょう。劇場内では、静かに歩くことも大切なマナーです。下駄は、たとえ裏に全部ゴムを張っていても、座っているときにぶつかって音をたたてしまいがち。下駄は、観劇以外のお出かけに活用してください。
ひざ掛けで裾の乱れを防止
気をつけたいのが、観劇中の裾の乱れです。座っているからと油断していると、いつの間にか裾が乱れてみっともないことに。これを防止するのに役立つのがひざ掛けです。
大きめのひざ掛けを用意して、座席についたらももの上からひざ下まで覆ってください。これで、乱れた裾を直そうと不用意に動くこともなくなりますし、手のひらの汗が着物の模様についてシミになるのも防いでくれます。
歌舞伎や観劇の知っておきたいマナー
観劇で大切なことは、演目を楽しむこと。
そして、そのために守ってほしいことがあります。それは、回りの人の観劇の邪魔をしない、演者の邪魔にならないように気を配る、この2点です。
椅子に深く腰掛け背もたれに背をつける
劇場の座席は、深く腰掛けて背もたれに背をつけて座ると舞台がよく見えるように設計されています。背もたれから離れて前屈みになる姿勢は、ほとんどの劇場で禁止されている迷惑行為です。
なぜなら、前屈みになると、隣の人や後ろの人にとって舞台が見えにくくなるからです。
一人が前屈みになるとその後ろの人も舞台をよく見たいがために前屈みになり、さらにそれが後ろや隣に波及して前屈みになったみんなが舞台が見えない状態になってしまうのです。
座席の背もたれに背をつけて座ること、大切な観劇のマナーです。
タイトな髪型にする
髪型も、回りに迷惑をかけないように気を配る必要があります。できるだけ、髪はタイトな形にまとめることをおすすめします。
髪をふんわり大きく膨らませたり、頭から横に飛び出すシニヨンは避けましょう。後ろの人の視線を遮り舞台を見えにくくしています。
おしゃべりしない・音をたてない
観劇中は、どんなに仲の良いお友達ともおしゃべりしてはいけません。小さな声で話しているつもりでも、劇場内では響くものです。
不用意に音をたてるのも避けましょう。必要なものは、演目が始まる前にバックから取り出して手元において置きます。
スマホやケイタイの電源は切る
スマホの電源は、切ります。マナーモードはだめです。マナーモードの音や光は、自分より回りの方が気にして演目に集中できません。知らずに怒りを買ってしまうことにもなりかねませんよ。
演目の撮影や録音はしない
観劇に集中して楽しむためにも、演目の撮影や録音はしてはいけません。これも迷惑行為として禁止している劇場がほとんどです。撮影して良い場合は、必ずアナウンスされますから聞き逃さないようにしましょう。
まとめ
歌舞伎や観劇では、素敵な着物を着て楽しく過ごしたいものです。
観劇のマナーは決して難しいことではありません。回りの雰囲気になじみつつ気を配ることも忘れずに、素晴らしい時間をお過ごしください。
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この記事の著者
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