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2024.10.31

訪問着を着る機会はいつ?訪問着の着用シーンやカジュアルダウンして普段使いする方法を紹介

訪問着を着る機会はいつ?訪問着の着用シーンやカジュアルダウンして普段使いする方法を紹介

着物と言えば訪問着。既婚未婚を問わず着られて、華やかな模様が美しい着物です。でも、「どこに着ていくの?」「ここに着ていっても大丈夫?」など迷いが多い着物でもあるんですよね。

それは、訪問着の色柄がたくさんありすぎるからではないでしょうか。反対に言うと、どんなところへも着ていけるということになります。

それでは、訪問着とはどんな着物なのか、どこに着ていけて、どんな色柄がおすすめなのか見ていきましょう。

訪問着とはどんな着物?

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訪問着は、既婚未婚の区別なく着られて、全体に描かれた模様が美しい着物です。また、礼装用の袋帯を締めれば準礼装に、名古屋帯や金銀の少ないおしゃれ帯を締めれば、外出着やパーティー着にもなる万能着物です。

訪問着は社交のための着物

訪問着は、社交のための着物として、大正時代に産声を上げました。小紋や留袖は江戸時代にその原型が生まれていますから、訪問着は新しい着物と言えます。そして、現在最も人気があり、着用範囲の広い着物となりました。

結婚式や披露宴はもちろんのこと、茶会や観劇、各種パーティーに参加したり、同窓会や年賀、結納や結婚後のあいさつ、子供の行事の付き添いに着用したりと、数え上げたらきりがありません。

それは、訪問着の色柄が豊富で、社交目的に合わせて選ぶことができるからです。ぜひとも、素敵な一枚を選んでお出かけください。

訪問着は留袖に次ぐ準礼装の着物

訪問着は、留袖に次いで格のある準礼装の着物です。

紋をつける場合は一つ紋が一般的ですが、最近の訪問着は模様が全体に描かれているために、紋をつけにくくなってしまいました。ですから、紋がなくても、訪問着は準礼装として装うことが認められています。

訪問着は、おめでたい古典柄を選び、帯は礼装用の金糸銀糸色糸で織り出した袋帯を締めると、準礼装としてふさわしい装いとなります。

訪問着は華やかな絵羽模様が特徴

訪問着は、その全体に描かれた模様が一枚の絵のように美しい着物です。模様は、胸から肩、そして袖へ、裾模様も前から脇、背中へと続くもので、これを絵羽模様と言います。また、同じ布の共八掛がついているのも特徴です。

訪問着を染めるときは、白い生地を裁って一度着物の形に縫い合わせます。この状態で下絵を描くと、縫い目をまたいで柄がつながるのです。下絵が描けたら糸をほどいて、再び反物の状態になるように縫い合わせ、友禅や刺繡、絞りなどで下絵通りに染めます。

染めあがったものは、再び着物の形に縫い合わされ、これを仮絵羽と呼びます。私たちが訪問着を購入するときは、この仮絵羽の着物を見て、色や柄を選ぶわけです。社交目的にかなった素敵な色柄を選びたいですね。

もっと詳しく訪問着について知りたい方はこちらをご覧ください
【基礎知識】訪問着と色留袖の違いは?
付け下げと訪問着の違いとは?
訪問着と振袖の違いは?

訪問着と他の着物の違い

グレー系の着物以下では色留袖と付け下げについて紹介します。着物はシーンや特徴によって種類が分けられるため、訪問着とは何が違うのかを見ていきましょう。

訪問着と色留袖の違いは?いつ着るべきかタイミングも紹介

色留袖とは、下半身のみに柄が入っている留袖で訪問着よりも格が高いのが特徴です。訪問着はカジュアルな場でも着用できますが、色留袖は親族の結婚式や披露宴、祝賀会などかしこまった場で着用します。

また、色留袖には紋の数によって格の高さが決まります。紋の数が減るにつれて格は低くなります。しかし紋の数が1つであってもカジュアルな場では着用できないため、は訪問着を着用するのが無難でしょう。

訪問着と付け下げの違いは?いつ着るべきかタイミングも紹介

付け下げとは、左肩部分にワンポイント柄が入っている着物です。

付け下げは贅沢なものの製造・販売を禁止する戦時中に生まれました。贅沢ができない時代だったため、華やかさを押さえた付け下げは訪問着の代用品として着用されていたようです。

訪問着の次に格が高い着物ではありますが、袋帯によって格を上げたり落としたりできるため、マルチに着用できます。

友人の結婚披露宴やクラス会など、丁寧な装いでお出かけしたい場面にぴったりでしょう。

訪問着はいつどこに着て行けるのか?

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訪問着は、どこにでも着ていけると言っても過言ではありません。しかし、一枚の着物をすべての場所に、というのは無理があります。社交の場所や目的にかなった色柄を選ぶことが大切です。

訪問着を着て結婚式や披露宴に

結婚式や披露宴に招かれたら、訪問着の出番です。お祝い事にふさわしい縁起の良い古典柄を選んで出席しましょう。

また、秋には紅葉や菊の柄、春には牡丹や藤の花というように、季節感のある訪問着も素敵ですね。訪問着の中から華やかな色柄を選んで、おめでたい気持ちを伝えてください。

訪問着を着て結納に

結納の服装は振袖が一般的ですが、略式結納の場合は準礼装である訪問着でも問題ありません。しかし、地域や家柄によって着用する服装が異なる場合があるため、しきたりを確認してから訪問着を選びましょう。

また、両家の母親も訪問着で参加しても問題ありません。ただ、どちらかが洋服で来てしまうと、どうしても着物の方の格が高くなってしまうため、事前に両家で服装を合わせるようにしましょう。

訪問着を着て茶会や観劇・パーティーに

茶会には、控えめな美しさを持つ季節の花の訪問着をおすすめします。観劇やパーティーには、思いっ切ってモダンな抽象柄はいかかでしょうか。どちらも、多様な模様を描くことができる訪問着ならではの楽しみ方です。

訪問着を着て七五三や入学式卒業式に

子供の成長は、母親にとって喜ばしいものですよね。その喜びを訪問着に込めてみてはいかがでしょうか。とはいえ、華美すぎる色柄は、せっかくの行事を台無しにしてしまいかねません。淡い色に控えめな古典柄で、晴れがましい思いを表現しましょう。

また、淡彩で描かれた雲やヱ霞の柄、ぼかし染めの訪問着も、控えめながらも上品な雰囲気で式典にふさわしい着物です。

訪問着を着て祝賀会に

卒業式や誕生日会、記念日など何かをお祝いする際に開かれる祝賀会にも訪問着がおすすめです。

祝賀会に参列する際は、会場や雰囲気に合わせた訪問着を選びましょう。フォーマルな落ち着いた場では華やかすぎないシンプルな訪問着がおすすめです。反対にカジュアルな雰囲気の場では明るい色や柄の訪問着が適しています。

いつもとは違う上品さを楽しみながら、お祝いムードの祝賀会で素敵な時間を過ごしてみてください。

訪問着を着て高級なレストランなど格式の高いお食事に

高級レストランはこだわりの料理や高級感ただよう店内、さらに知識や配慮に優れたウェイターなど、どれも格式が高いためカジュアルすぎる装いだと入店を断られる場合があります。

訪問着なら礼装着の次に格式が高いため、高級レストランに向いています。しかし華やかすぎる柄の訪問着だと場の雰囲気と合わないことがあるため、落ち着いた柄の訪問着がおすすめです。

高級レストランの他に、料亭も訪問着が向いています。高級なお店へ向かう際の服装に悩んだら訪問着を選んでみてください。

訪問着のおすすめの色と柄は?

着物と振袖の違いとは!?振袖をレンタルするときのポイント!

たくさんの色柄がある訪問着。具体的にはどんな色柄があるのか、おすすめのものをご紹介します。

黒地に吉祥模様の訪問着

黒い色は、改まった印象を与える色ですよね。個性的な色に思われがちですが、黒の地色に吉祥模様の訪問着は、おめでたい席にぴったりの着物なんです。

吉祥模様は、古典柄の中でもおめでたい意味を持つ柄がそろっています。松竹梅・牡丹唐草・四君子(蘭竹菊梅)などの植物柄に、扇・貝桶・御所車などの道具柄、鶴や亀、鳳凰などの動物柄もあり、バラエティー豊かなものです。

黒留袖を作るには早いけれど、その代わりに改まった一着が欲しいとお考えの方に、黒地の訪問着はいかがでしょうか。

白茶の地色に茶屋辻模様の訪問着

白茶の色は、白でもないし茶色でもない不思議な色で、たおやかな雰囲気を持っています。合わせて、茶屋辻模様は江戸時代から続く伝統柄で、季節の草花が咲く中にどこか懐かしい風景が描かれているものです。

この訪問着ならば、袋帯を締めて改まった席に、名古屋帯を締めれば観劇や食事会にと、お出かけの機会は増えるばかりですね。

淡い地色に春秋模様の訪問着

淡い桃色や水色の地色に春秋模様の訪問着は、ちょっと控えめに装いたいときに重宝する着物です。春秋模様とは、春と秋の草花を一枚の着物に染めたもの。夏を除いて3シーズン着用できます。

春秋模様の訪問着は、気軽なパーティーや茶会に、また、七五三・入学式・卒業式などの子供の行事の付き添いにもおすすめです。

訪問着で必要なもの

着物の色合わせ訪問着を着る際に必要なものと、あると便利なものをまとめました。

訪問着の着物だけを持っていても完成しません。以下にある訪問着に必要なものを揃え、上品に着こなしましょう。


必要なもの ・着物
・半襟付き長じゅばん
・肌着
・袋帯
・重ね衿
・帯締め
・帯揚げ
・腰紐
・伊達締め
・コーリンベルト
・帯枕
・帯板
・衿芯
・タオル
・足袋
・草履
あると便利なもの ・和装用ブラジャー
・びょうじめ
・ホッカイロ

あると便利なものの和装用ブラジャーは、着物着用時のスタイルが補正されたり、襟元の着崩れ防止の役割を果たしてくれたりします。

また、びょうじめはマジックテープ型の伊達締めです。自分で着付けする際や着物初心者におすすめです。

必要なものもあると便利なものも、着崩れ防止や美しい和装姿になるなどの効果が得られます。着付け初心者の方はぜひ参考にし、素敵な訪問着姿を完成させましょう。

訪問着でよくある質問

京都の夏にぴったりな夏用着物

訪問着についてよくある質問をまとめました。訪問着の着用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 訪問着をカジュアルダウンして普段使いできる?
  • 結婚式で訪問着は既婚でも着られますか?
  • 着物の格の高い順番は?

訪問着をカジュアルダウンして普段使いできる?

訪問着は、合わせる帯や小物によってカジュアルダウンできます。

例えば訪問着の着物に名古屋帯を合わせたり、金や銀などの糸を使用していないシンプルなデザインの袋帯を身につけたりすると、普段着として着用できます。

パーティや結婚式などでは豪華なデザインになるようコーディネートをし、お茶席やお呼ばれした際は派手になりすぎないコーディネートで出席しましょう。

結婚式で訪問着は既婚でも着られますか?

訪問着は既婚・未婚を問わず着用できるため、結婚式へ参列する際にもぴったりです。新郎新婦のお母様は黒留袖がベターですが、親族や友人であれば、年齢を気にすることなく訪問着を着用できます。

また、着物の色も気になりますよね。実は結婚式へ白い着物で参列しても問題ありません。白いドレスの参列は花嫁のウェディングドレスとかぶってしまうためタブーとされていますが、白い着物は刺繍などで模様がほどこされていることもあり、着用しても問題ないとされています。

着物の格の高い順番は?

着物の種類によって格の高さが異なります。

1番目に格の高い着物は「礼装着」で、花嫁が着る打掛や成人式の本振袖などが代表的です。

2番目に格の高い着物は「略礼装着」です。訪問着も略礼装着ですが、一つ紋がついている訪問着のみを指します。

3番目に格の高い着物は「外出着」です。お出かけの際に適しており、多様な色や柄を選んで楽しめます。

4番目に高い着物は「普段着」です。自宅での生活やちょっとした外出の際に着用します。着心地や生活がしやすいように、他の着物に比べて手入れがしやすいような作りになっているのが特徴です。

恥じることがないよう、着物の格の高さをしっかりと知っておきましょう。

まとめ

訪問着を着る機会は、結婚式を始めとして、茶会・観劇・パーティーに子供の行事とたくさんあります。大切なのは、場所や目的に合わせてふさわしい色柄を選ぶことです。あなただけの一着を華やかに着こなしてみませんか。

>>着物はいつ着る?着る機会のある行事・仕事をチェックする


この記事の著者

梨花和服は浅草・川越・鎌倉と京都市内の嵐山、祇園、清水寺、京都駅前に着物レンタル店を7店舗展開し、2022年の年間ご利用実績は18.8万人以上!

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