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2020.02.17

付け下げと訪問着の違いとは?

付け下げと訪問着の違いとは?

付け下げと訪問着の違いについて、悩んだことがある人も多いのではないでしょうか?

どちらを着ていけばよいのか、判断できないことも多いですよね。具体的に何が違うのか、特徴や見分け方を解説します。

訪問着と色留袖についてはこちら>【基礎知識】訪問着と色留袖の違いは?

付け下げと訪問着の特徴

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付け下げと訪問着は、それぞれ違う種類の着物です。大きな差はありませんが、利用用途や柄の雰囲気が異なります。主な特徴をお見ていきましょう。

訪問着とは

訪問着は、式典や結婚式にも使える着物です。

さまざまなシーンで利用でき、洋装ならスーツやジャケットのような雰囲気ですね。式典のゲストに呼ばれたときなど正装が必要なシーンでよく使われます。

また、絵羽模様と呼ばれる一つにつながった柄が特徴で、柄は裾部分と衿元から袖にかけて広がっています。柄が豪華で、フォーマルシーンに使いやすいものが多めです。

ちなみに訪問着と振袖の違いについて知りたい方はこちらの記事をお読みください
訪問着と振袖の違いは?

付け下げとは

付け下げは、訪問着の柄を控えめにした着物です。

「本格的な式典に主賓として参加」などでなければフォーマルにも着こなせます。

もちろん、普段のちょっとした集まりなどカジュアルな場でもそれなりに使えるタイプですね。

戦時中「訪問着では豪華すぎるから」と言われて作られた説もあり、シンプルな作りのものが多くなっています。

付け下げは小紋から派生したという説もありますが、どちらにしても訪問着と小紋の中間に位置する格であることは間違いないでしょう。

付け下げと訪問着の柄の入れ方は似ていますが、一般的な付け下げは衿から袖の柄がつながっておらず、分かれているのが特徴です。

付け下げ訪問着・付け下げ小紋とは

最近では「付け下げだけど他の着物に見えるもの」が販売されています。

リーズナブルに訪問着風の着物を手に入れたいときや、少しフォーマルなシーンに小紋風の着物を着ていきたいときに役立つアイテムです。

付け下げ訪問着は、訪問着と似通った柄付けの付け下げです。

一般的に付け下げの柄は飛び飛びについていますが、付け下げ訪問着の柄は比較的ひとつながりになっています。

しかし上半身の柄はつながっていないことが多く、見分けるには袖や衿の柄を見るとわかりやすいでしょう。

付け下げ小紋は、柄の向きが一定になっている小紋です。

小紋の柄は上下が入り乱れていますが、付け下げ小紋の柄はすべて上を向いています。

「小紋では少しカジュアルすぎるかな?」と悩むときにも使えそうです。

付け下げと訪問着を見分ける主な方法

着物の着付け

付け下げと訪問着は、商品によってはほぼ見分けがつかないレベルのものもあります。

着用シーンによってはどちらかを指定されることもありますが、どうやって見分けるのがよいのでしょうか。主な見分け方を解説します。

購入時の形

一般的に、訪問着はある程度仕立てが終わった状態で販売されています。

付け下げは仕立て前の状態です。販売時の形によって、商品が訪問着なのか付け下げなのかを見分けることができるでしょう。

ただし、100%購入時の形が決まっているかといえば、そうではありません。中には仮仕立てまでして販売されている付け下げもあります。

柄の入れ方

訪問着は絵羽模様と言われる流れるようにつながった柄が裾と胸あたりに入っています。

対して、多くの付け下げは飛び柄です。

もちろん、裾の部分の柄がつながった付け下げ訪問着のようなタイプもあり、見分け方としては絶対ではないと考えておきましょう。

値段

着物業界では、仮仕立てまで販売されている訪問着のほうが値段が高く設定されています。

リーズナブルな値段で販売されているものは、付け下げと考えられるでしょう。

ただし、素材や柄など他の要素も関わってくるため、参考程度と言えそうです。

八掛がついているか

訪問着は柄付きの八掛が付属しており、付け下げは別八掛というのが一般的です。

販売時の形や値段のこともあり、訪問着のほうが八掛にこだわっているものが多いと言えます。

付け下げと訪問着に絶対的な見分け方があるわけではない

浴衣の着付け

付け下げと訪問着は、ぱっと見で判断できないものもたくさんあります。

基本的には複雑に考えすぎず、以下の2点を押さえておけば間違いはないでしょう。

利用シーンと柄付けの雰囲気を重視するのが大切です。

豪華でフォーマルシーンに使いやすいものが訪問着

訪問着は柄が大きめでつながっており、柄が目立ちます。柄がしっかり入っているものなら、フォーマルシーンに着用できるでしょう。

結婚式でも「身近な親族のお祝いで留袖程度の格が必要」など特殊な事情でなければ、ゲストが付け下げ訪問着を着ていても白い目で見られることはありません。

厳格なルールを重んじる場でない限りほぼ同格とされているため、過度な心配はいらないでしょう。気になるときは、参加者や主催者に相談しておきましょう。

控えめでシンプルな柄が付け下げ

「派手な着物は場違いになってしまう」という意味で「今度の集まりに着用するなら付け下げが無難」と言われた場合、豪華な付け下げで出席してしまうと場違いです。

この場合は、控えめな柄付けの付け下げが求められています。付け下げ訪問着でも、控えめで上品な柄であれば差し支えはないでしょう。

柄のイメージで判断するだけでも、間違いではありません。「柄は派手だけどこの着物は反物で売られていたから…」とこだわってしまうと、相手の意図をくみ取りにくくなるでしょう。


この記事の著者

梨花和服。浅草と京都市内の嵐山、祇園、清水寺に着物レンタル店を4店舗展開。

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