着物を簡単にきれいに着付けたい時の大事な5つのポイント
着物レンタルで着物の着付けを何度か経験すると、着物の綺麗な着姿が目に入るようになってきませんか?
綺麗に着付けてもらっているけど、もしも着崩れたりしたときも、どこをどうやって直せばいいのか、自分でできるようになるといいな~なんて、思いますよね。
自分で着物を着てみたいな、と思い始めたそんなあなたに!簡単に綺麗に着物を着付けられるコツを着物レンタル 梨花和服がお教えします。
◇綺麗な着付けとは?「綺麗な着物姿だな~」と思うときって、あなたはどこに視線が集中しますか?
5つのポイントをご紹介しましょう。
長襦袢が大事!着物で綺麗に決めたい衿元・衣紋
見ている人だけでなく、着ている人も常に気になる衿元と衣紋。
なれないうちは動いているうちにどんどん詰まってきたり、逆に開いてぱかぱかになったり。
気になって何度も衿元に手をやって、ちゃんと合わさっているか確かめたり・・・。
それにひきかえ、着慣れた人の衿元って、のど元でしっかり合わさって、歩いてても、手を動かしていても、ぜんぜん変わりません。まるで体に吸いついているようです。
衿元や衣紋の美しさというのは、長襦袢の着方にかかっています。
簡単ですからやってみてくださいね。着るときに、両衿を片手でつまみます。
ちょうど衿心を入れる縫い目のところがいいでしょう。そしてもう一方の手は背中の縫い目をつまみます。
次に両手で交互に長襦袢を前後させて、体に馴染ませます。このときに衣紋の抜き加減をきめます。
この加減は、正装の場合はわりと大きめに抜くんですが、ふだん着だとこぶしひとつ入るくらいです。
背中のラインから衿が角度をつけて飛び出ているとかっこいいです。次は衿元!
せっかく決めた衣紋を引っ張らないように、そのままそっと右手を左わきに沿わせます。
次は左手。
脇まで持ってくるときには、衿がバスト全体を包むようにして合わせてください。
腕の付け根のあたりを衿が通るくらいがいいでしょう。
そして合わせ目は喉元のくぼみが隠れるくらいのところでクロスしているとちょうどいいですよ。
衿と衣紋がお気に入りの形になったら、片手は長襦袢をおさえたまま、もう片方の手で紐を取り、アンダーバストの位置で結わえます。
先に前を押さえ、背中側に紐をぐるりと回すとやりやすいです。
紐はぎゅうぎゅう締めすぎないよう注意ですよ!
指1本くらい入るくらいゆるめておくのが定番です。
ちょうど胃の上の位置にあたるので、ごはんがあんまり食べられなかったり、気分が悪くなったりすることも。
着付けてもらうときも、遠慮せずちょうどいい具合を伝えるといいと思います。
着物の着付けで裾・すそ合わせはためらいなく決めよう
着物を着るときに一番最初に合わせるのは、意外なことに「裾(すそ)」なんです。
着物を腰骨にあて、腰骨から下の長さを決めます。
草履を履いたときの長さに合わせるため、着るときにはやや長めにします。
どの着物にもすその表地には綺麗な模様や柄が入っていますからね、美しく映えるような気持ちで着付けましょう。
特に礼装では短くならないように注意します。
そして真夏の着物以外には「八掛(はっかけ)」という裏地がついていて、着物上級者さんは、八掛にもこだわりをみせたりするんです。
ピンと張ったすそで、色柄をひきたてたいですね。では着方です。
肩からだらりと着た着物の腰のあたりを両手で着物の右端・左端を持ちます。
そして「躊躇なく」ウエスト位置までぐいっと持ち上げます。
この「躊躇なく」というのが大切です。そのあと床スレスレになるようにだんだんと下ろしていきますよ。
同時に背中の縫い目がちゃんと背中の中心にきているかは気を付けてください。
床スレスレまで着物のすそが下りたら、腰骨あたりで片手で着物を押さえ、もう片方の手で紐をとり、ウエストあたりで結びます。
このときも、きつくならないよう、指一本分の余裕をもって結んでくださいね。
おはしょりで着物の着丈を合わせ調整を
おはしょりは、帯の下から腰骨の上程度の幅だと綺麗に見えます。
だいたい人差し指一本分と覚えてくださいね。
もともとは引きずるほど長かった着物を折り上げておはしょりとし、動きやすい長さに調整するようになったそうです。
ですのでこどものおはしょりは幅が広いんです。
子どもはこれから背が伸びますから、着物のほうが身長よりずいぶん丈が長いせいですね。
大人のおはしょりの場合は、腰ひもの位置で幅が決まります。
腰ひもがウエストに近いほど、おはしょりの幅はせまくなりますから、あなたの身長と着物の着丈とで相談して腰ひもの位置を決めましょう。
自分の丈で仕立てた着物だといいのですが、おさがりだったり、アンティークやリサイクルなどの、少し前の時代に仕立てられたものだと丈が短い場合がありますね。
サイズが小さいけれど、仕立て直しをするほどでもないし・・・というときは、思い切っておはしょりなしにする人もいます。
古い時代の着物だったらそんな着方もOKです。
逆に着物の丈が長い時も大丈夫。
おはしょりを取ったあと、あまった部分を帯の下に隠す方法もあります。
着物が時代を超え、着る人も超えて大切にされる理由はそこにもありそうですね。
着物の帯を簡単に着付けるポイントとは
着物の帯には袋帯、名古屋帯、半幅帯など色々な種類があります。
さて、帯の美しさと言えば、やはり「帯山」。
四角い「お太鼓結び」の上辺の部分のことをいい、ふっくらなだらかに山型になっているのがよいとされます。
お太鼓でなくても、帯結びがきゅっと背中の真ん中より上に結ばれていると、きりっとした印象になります。
着付け初心者さんだと、自分で帯結びをするのはちょっとハードルが高そうな気がしますね。
初めは半幅帯からチャレンジしてみてはいかが?
気軽な普段着やおしゃれ着なら半幅帯で十分素敵にコーディネートできます。
「りぼん結び」にも似た「文庫結び」のアレンジが一般的です。
前で結んで背中に回す方法なら、慣れてしまえば半幅帯ならやりやすいです。ゆかたのときにも使える技なんですよ。
でもお茶席や無難にしたい礼装などのときには「お太鼓結び」をします。
年齢が若く、地味になりすぎるのを避けたいときには、お太鼓の下の帯枕を厚めにして、ふっくらと大きめにする方法もあります。
ですが、結婚式や祝賀会のような華やかな場面では、やっぱり飾り結びもいいと思います。
帯の端を折りたたんでお太鼓の上や横から顔を出して飾りとするような、さりげない飾り結びがありますよ。
着物着付けで忘れてはいけない全体のシワの処理
しわやたるみがない着姿を作ることができれば、「着付け初心者」卒業と言えんじゃないでしょうか。
着物のしわやたるみは、ひもを結び終わるごとに処理をします。
見えない長襦袢のしわも、処理しないままその上に着る着物を着ると、それが着物にひびいて、きれいに着付けられないんです。
衿を決めて長襦袢の胸元を結ぶ→せなかのたるみを脇から引く→着物のすそを決めてひもで結んだら、しわの確認をする→着物の衿を決めたら、背中のたるみを引く・・・といった具合です。
このひとつひとつの手順が、最後の美しい着姿につながる積み重ねなんですね。
少し面倒ですが、なんといってもこれがコツでしょう。
とはいえ、テレビや雑誌のような、しわひとつない着付けは、あまり現実的ではありません。
というのも、撮影のときには、あのぴしっと伸びた、綺麗な着付けをするためにいろんな小道具を駆使しているんだそうですよ。
「撮影用着付け」で、実際に歩いたり動いたりするのはできなさそう。実践的な着付けとはまた違った目的のものなので、着付けのお手本というわけではなさそう。
「どうしてもこの通りにできない」って悩む必要はないんですって。
この記事の著者
梨花和服。浅草と京都市内の嵐山、祇園、清水寺に着物レンタル店を4店舗展開。
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